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体制新たにいざJ1へ。ファジアーノ岡山2022シーズンプレビュー

新たな体制の下、積み上げてきたものにフレッシュなエッセンスを加えた『木山ファジ』は、悲願のJ1昇格を掴み取るか。選手の入れ替わりの観点から、ファジの今シーズンを占ってみたい。

Written by Kei Fukushima

2016年にJ2リーグ戦を6位で終え昇格プレーオフ決勝まで進出するも、惜しくもJ1昇格を逃した。以降、一桁順位で終えたシーズンが2019年の9位のみと浮上のきっかけを掴めないでいるファジアーノ岡山だが、チームの規模や層の厚み、選手一人一人の質は年々向上しており、昨シーズン終盤には12戦連続負けなしと安定感のあるパフォーマンスも披露した。

2019年から2シーズンの間チームを指揮した有馬賢二氏に代わり、今シーズンからは過去に4つのJ2クラブを飛躍に導いた実績豊かな指導者、木山隆之氏が監督に就任。新たな体制の下、積み上げてきたものにフレッシュなエッセンスを加えた『木山ファジ』は、悲願のJ1昇格を掴み取るか。選手の入れ替わりの観点から、ファジの今シーズンを占ってみたい。

守備陣は主力流出も実力者獲得で強度キープ

昨シーズン喫した36失点はリーグ2位タイの好記録。しかし、類稀なる守備能力と攻撃を後方から組み立てる司令塔としてのスキルで抜群の存在感を放ったセンターバックの井上黎生人が京都サンガへ移籍。空中戦に強く左利きという希少価値もあった安部崇士も期限付き移籍期間の満了で徳島ヴォルティスに復帰し、堅固な守備を支えた主力のディフェンス陣を2人も失う痛手を負った。

その一方で、今冬のファジは素早い立ち回りで後釜の確保に成功している。京都サンガから加入したヨルディ・バイスは経験に裏打ちされたパワフルな守備で相手のチャンスの芽を潰すだけでなく、機を見て前線に駆け上がり強烈なシュートを見舞えるオールラウンダーなオランダ人センターバックだ。

バイスとコンビを組みそうなのが、こちらも栃木SCから新加入の柳育崇。身長188cmの巨漢で競り合いにも強く、前所属クラブでは主将も務めたリーダーシップの持ち主だ。昨シーズンはセンターバックながらフォワード顔負けの8ゴールを記録しており、ヒット補強になりそうな可能性を窺わせる。

また、ゴールキーパーは昨シーズン清水エスパルスから期限付き移籍で加入していた梅田透吾の期限付き移籍期間を延長。若手キーパーが今年もファジのゴールを守りそうだ。

ミッドフィールドはレギュラー級の退団が懸念材料… 大卒ルーキー台頭の可能性も?

ミッドフィールドの入れ替わりとしては、白井永地が徳島ヴォルティスへ、石毛秀樹がガンバ大阪へ、パウリーニョが松本山雅へ移籍。新たに迎えた実力者は、清水エスパルスから加入した川井陽介だ。

J1での経験が豊富な川井を迎えたものの、中盤で精力的に動き回り貢献度の大きかった白井や攻守両面で出色の出来だった石毛の退団は大きなマイナスになりかねない。白井は同リーグで今年ライバルになる徳島への流出ということになった。14試合で6ゴール3アシストと攻撃陣を牽引した石毛もなんとか引き留めたかったが、J1のビッグクラブが黙っているはずもなくガンバ大阪が獲得を決めた。

一方、可能性を感じさせるルーキーが米子北高校から加入の佐野航大。運動量豊富なミッドフィールドの選手というプロフィールは白井に通ずるものがある。未知数な部分もあるが、今後の伸びしろも踏まえて中盤のクオリティの低下を抑えるキーマンとなりうるかもしれない。

エース退団も新外国人が破壊力上昇の鍵を握る!

ファジのこの冬最大のニュースは一人で41試合13ゴール1アシストを叩き出した上門知樹のセレッソ大阪への移籍だろう。J2屈指のシュートセンスで得点を量産したエースの退団は大きすぎる損失だ。昨シーズン出場機会を大きく減らしたものの、2018年に14ゴールをマークしたイ・ヨンジェも韓国の仁川ユナイテッドへと去っており、2枚看板を失ったフォワード陣がどう生まれ変わるかは注目ポイントだ。

主力の選手が移籍していく一方で、川本梨誉が清水エスパルスからの期限付き移籍期間を延長して残留。更にガンバ大阪からチアゴ・アウベス、韓国のソウル・イーランドFCからハン・イグォンと2人の即戦力外国人フォワードの獲得にも成功した。昨シーズン途中加入したオーストラリア代表のミッチェル・デュークも残留が決定しており、上門とヨンジェの抜けた穴の埋め合わせに全力は尽くしているようだ。

ファジが昨シーズン決めた40ゴールはリーグで上から11番目と低迷した。堅守の一方、攻め手に欠いたという印象だ。今シーズンのアタッカーたちには、退団した主力の後釜としての活躍だけでなくチームとしての得点力不足の改善も求められる。難しいミッションではあるが、チアゴはパワー満点の一撃を持つレフティで、チャンスメイクも得意とする。これまでJ1のクラブでいまいち殻を破りきれていなかった印象だが、J2でその実力を発揮する可能性もあるだろう。イグォンも日本では未知数とはいえ力のあるミドルシュートを備えるストライカーで、この2人が早期フィットとなればどこからでもゴールを狙える強力な前線になる。

新生ファジ発進。『変革』と『結果』の高難度ミッションに挑む

ライター予想の今シーズンの布陣

木山監督が得意とする戦術は3バック(5バック)のシステムを用いるフットボールだが、陣容を見るに就任1年目は有馬前監督同様4-4-2で戦いそうだ。ディフェンスラインはセンターバックが二人とも入れ替わった形になる可能性が高い。優れたフィジカルで競り負けないデュークは昨シーズン同様前線で起点になる働きが求められ、サイドのチアゴが左足での好機演出やミドルシュートで攻撃のアクセントになれば、イグォンは決定力を武器に得点のチャンスを狙える。この3人がそれぞれ機能すればJ2屈指の攻撃力を得られそうだ。更に3バック採用の目処がたてば、バイスの攻撃性能の高さも活かすこともできるため、木山監督の指導に期待がかかる。自慢の守備力に加え攻撃力を高められたなら、大きな目標にも手が届くだろう。

流出が多いながらも実力者の獲得にも成功している今冬のファジ。上位への食い込みに失敗してはいるものの、着実に成長し続けているのがここ数年間のこのクラブの状況だ。木山監督が有馬政権時から何を引き継ぎ、どこを変えていくのかから目が離せない。しかし、チーム作りと平行して求められるのは目に見える結果で、「チームのリビルドと上位進出の両立」という簡単ではない目標の達成に向け、晴れの国の雄は新たな年の戦いへと挑む。

ファジアーノ岡山が掲げるクラブ理念である『子どもたちに夢を!』。赤いキットを纏う選手たちは、今年こそクラブの『夢』を叶え、ファンに『夢』を与えられるか。

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